佐倉ばら会は、歴史と文化の街「佐倉」で、バラを啓蒙・探究し、バラを通して市民のコミュニケーションを図っていきます。また、多くの皆様にバラの楽しみを知っていただける活動を進めていく中で、バラ文化醸成への貢献をめざします。

「サロントーク&バラの香水づくりワークショップ」の開催(終了)

令和6年(2024年)7月20日(土)に、佐倉市新町の夢咲くら館(佐倉市立図書館)1階のさくらゆめひろばで、「サロントーク&バラの香水づくりワークショップ」を開催しました。

 今回のサロントークは、2023年に引き続き、バラの香りのエキスパート、資生堂リサーチセンター香料開発室時代に鈴木省三氏の協力のもと、1,000種以上のバラの香りを調査・分析し、世界で初めてバラの香りをタイプ別に分類した、パヒューマリー・ケミストである蓬田バラの香り研究所所長の蓬田勝之氏を囲んでのサロントーク「バラの香りは生きている!」と、バラの香水づくりワークショップの2部構成としました。

【バラの香りについて説明する蓬田氏】

 最初に蓬田勝之氏から、「バラの香りは生きている!」と題しての講演がありました。バラの香りは様々な香りがあり、かつ、香りは目に見えないので、パルファム図(香りの分析表)で、視覚的に見えるようにしたこと。そして、心地よい香りは、感覚で作っていくことについて、説明がありました。また、バラの香りは、花弁から発散され、半開初期が最も美しく香りこと。従来、バラの香りの研究は、ローズオイルを対象に行っていたが、モダンローズの香りが香料バラと質が違うことなどを解説。そして、香料バラにはまったく含まれていないのにも関わらず、モダンローズのほとんどに含有されている成分を発見、これをティーローズ・エレメントと名付け、この香りの成分のルーツを追求していくと、中国大陸の野生種ロサ・ギガンティアにたどり着き、より美しいバラを求める育種交配の歴史の中で、西洋と東洋のバラが融合し、モダンローズの香りへと育まれて来たとのこと。そして、モダンローズに含まれているティーローズ・エレメントの効果が研究により実証されており、心拍変動および脳波(CNV:随伴性陰性変動)測定の結果、鎮静作用に働くこと、唾液中のコルチゾールの分泌量を測定することで、ストレス緩和効果のあることなどの説明もありました。

【サロントークの風景】

 続いてのワークショップでは、蓬田バラの香り研究所代表取締役の、クロサワ早穂氏の指導のもと、参加の皆さんは各班に分かれて、生花の香りを再現した8種類のバラの香りを組み合わせ、オリジナルのバラの香りのサシェ(香り袋)や香水(オード・トワレ)を実際に作りました。参加された皆さん、一人ひとりが、自分の好みの香りを組み合わせて探していき、バラの香りを調香していきました。

【香りづくりについて説明するクロサワ氏】

 調香には、蓬田バラの香り研究所が作った香りのサンプルである、ロフィック・ビーンズを使用しました。ロフィック・ビーンズは、古代バラから現代バラを調査・分析し、現代バラの香りタイプとして、ダマスク・クラシック(ピンク)、ダマスク・モダン(レッド)、フルーティ(グリーン)、ティー(イエロー)、ブルー(ブルー)、スパイシー(オレンジ)、ミルラ(パープル)の7種に加え、香料採油用の代表品種であるロサ・ダマスセナの開花時の香りを表現したブルガリアン・ローズ(ホワイト)の計8種類のバラの香りを開発し、カラフルなビーンズとしたものです。このビーンズを組み合わせて、自分のオリジナルな香りを作り、さらに割合(粒数)を変えることにより、様々なバラの香りを楽しむことが出来るわけです。

【自分の好みの香りに調香】

 まず、8種類の玉の香りを嗅いでシャーレにミックスして自分だけの香りを作りました。何粒ずつか、香りを確認しながら、割合を決めて、袋に入れて完成。次は、その割合で、香水を混合していきます。そして、紫色のボトルに入れて、各自それぞれの香りが完成。参加の皆さんは、短時間でしたが、世界に一つだけのオリジナルのバラの香水づくりを楽しまれたようです。

【8種類の香り玉・香水ボトル・香水スプレー】